トレーニング後には、筋肉をつけるための栄養素として、プロテイン=タンパク質の摂取を積極的に行うようによく言われます。
タンパク質の摂取は筋肉をつけるためには必要!
だから摂らないといけない!
というのは定説になっています。
しかし、摂りすぎるとどうなるかは、あまり知られていません。
本記事では、タンパク質の摂取をしすぎるとどうなるかを解説していきます。
高タンパク質・低炭水化物食によるホルモン変動の研究
高タンパク質・低炭水化物食によるホルモンの変動を研究した論文があります。
中でも注目されているホルモンが
- コルチゾール(ストレスホルモン)
- テストステロン(男性ホルモン)
の2つであり、これらがどう変化するかを研究しています。
炭水化物とタンパク質の摂取量によって、筋肉を肥大させるために重要なテストステロンと、過剰分泌されることによって筋肉を分解してしまうコルチゾールはどう影響を受けるかを研究しています。
タンパク質を食事の35%にして、炭水化物を全体の35%以下にした高タンパク質・低炭水化物食のグループでは、コルチゾールのレベルを増加させ・安静時のテストステロンの量を減少させることがわかりました。
いっぽうで、タンパク質が35%以下・炭水化物が35%以上の食事にしたグループでは、コルチゾール・テストステロンの数値に変化がないという結果になりました。
高タンパク質を意識しすぎて、炭水化物の摂取が疎かになり、インスリンの分泌が低下することによるテストステロンの合成減少が主な原因だと考えられています。
また、高タンパク質食の生活によって、内臓機能が低下することも影響があると言われています。
タンパク質を摂りすぎることにより、炭水化物の摂取が疎かになり、テストステロンレベルが大幅に減少することから、筋肉がつきにくくなるというわけです。
ダイエットや減量期に入ると、プロテインでタンパク質を補い・低炭水化物でカロリーを抑えてダイエット・減量を進めていく人が結構いますが、実はこの行動はテストステロンレベルを低下させ、減量期の筋分解を促進してしまいます。
ケトジェニックダイエットといって、タンパク質をメインにしたダイエット方法がありますが、2023年の研究では糖尿病患者以外における健常者には、
- 総コレステロール増加
- ストレスホルモン増加
- テストステロン減少
が確認されました。
まとめ
タンパク質の摂取はトレーニング後、筋肉をつけるために必要だという認識は世間にも広がり、しっかり摂る人が増えています。
しかし、タンパク質を意識しすぎるあまり、炭水化物をあまり摂らず、それが逆効果になるケースも少なくありません。
今回、調べていてケトジェニックダイエットについても触れましたが、研究が進みここまでの逆効果があることに驚きました。
タンパク質を摂りつつ、炭水化物・脂質もバランスよく摂ることがダイエット・減量の近道ですね!